とおわから

2015.03.2

青のりと青さのりの違いをご紹介。四万十川の最近の事情を組合長に聞いてみた

2702sake_blog

風も強く、非常に寒い2月下旬。
四万十川下流漁業協同組合、組合長の沖辰巳さんより、四万十の青のり・青さのりについてお話を伺いました。

ちょうどのりの収穫時期とも重なっており、お忙しい中時間を頂いての取材でした。
沖さんが組合長をしている四万十川下流漁業協同組合は、100人ほどが青のりや青さのりの採取や生産に携わっています。
青のりの採取は、四万十川中央漁協も行っていますが、下流漁協の方が収量は多いです。
全国でも最高級と言われる四万十の青のりは、この沖さんを組合長とした約100人の方々ががんばっているからこそなのだなぁと感じました。

青さのりを手に説明をしてくれている沖組合長

青さのりを手に説明をしてくれている沖組合長

青のりと青さのりの違い

そもそも品種が違います。
青のりは「スジアオノリ」、青さのりは「ヒトエグサ」という品種です。

青のりの方が香りも高く、天然ものの青のり(スジアオノリ)の全国シェアも四万十がトップであり、品質、知名度ともに非常に高いです。
四万十の青のりは、汽水域の石に生えるもので、完全に天然ものです。
青さのりは、ロープに菌をしみこませ、流れの穏やかな汽水域で育てます。
天然ものの青のりに比べ、青さのりは収量が比較的安定してとれますが、育てるのに約10ヶ月かかるのでその分手間がかかります。
収穫時期は、青のりが12月~3月、青さのりが2月~4月で、共に寒い冬の時期が旬になります。

今年は不漁。去年の青のりは10t以上とれたが、1tもとれないだろう

青のりは、収穫量が予想できないそう。
収量が昨年の1割以下になったり、逆に何倍も採れたりと、こんなにも収量が変動する産物はあまりないのではないでしょうか。
去年は豊作で、10トン以上の青のりが採れたみたいですが、今年はまったく採れていないみたいです。
本来なら、今の時期には四万十川の汽水域の川原には、青のりが干してある風景があたりまえなのに、それがまったく見えませんでした。

本来ならこんな感じで川原に青のりを干している風景が四万十川では見える 引用:加用物産の通販HP「ざまうま」より http://zamauma.jp/index.html

本来ならこんな感じで川原に青のりを干している風景が四万十川では見える
引用:加用物産の通販HP「ざまうま」より
http://zamauma.jp/index.html

川の石を見ても、まったくのりがついていないんです。
「去年は、四万十川が一面緑色で、どこを見ても青のりもつれやったに。」と沖組合長。
青のりを採る人も年々減っているそう。
もし去年もっと青のりを採る人がいれば、20トンは採れたみたいです。
しかし、採れずに腐ったりして流れていったんです。
収量が毎年変動する青のりですが、やはり昔と比べると収量は減っているみたいです。
昔は青のりをとる人は300人ぐらいいて、50~60トンは採れていたとのこと。
うなぎ、あゆだけじゃなく、やはりここにもなくなりつつある四万十の産物がありました。

普段なら青のりが干されているのに。。。

普段なら青のりが干されているのに。。。

不漁の原因は解明されてない。青のりの生態はまだ分からんことが多い

しかしなぜ、今年こんなにも青のりがとれないのか。
その原因は断定できないみたいです。
実は、青のりの生態はまだ分からないことが多いんです。
断定はできませんが、原因として予想されるのは、温暖化による水温の上昇が原因ではないかとおっしゃっていました。
水温が高いと青のりが育つ環境には適さないみたいです。
また、水が汚れたり、水質環境が悪化しているのも原因の1つかもしれないとおっしゃっていました。

取材当日、青のり漁をしている舟がありましたが、少なそうです。。。

取材当日、青のり漁をしている舟がありましたが、少なそうです。。。

なぜ四万十の青のりは最高級なのか

「四万十の青のりは、他に類を見ない、味と香りだ。」沖組合長が力強くおっしゃった。
みなさんも聞いたことがあるかと思います『四万十の青のりは最高級』と。
では、なぜ四万十の青のりは最高級なのか。
それは、スジアオノリという品種自体が、青のりの中でも味や香りが最高級だから。

では、なぜスジアオノリが四万十川に育っているのか。
それは、青のりの解明されてない生態同様、きちんと分かってないみたいです。
育つ原因として予想されることは、1,汽水域が育つ環境に適している2,緯度が関係しているとおっしゃっていました。
青のりや青さのりがとれる場所は、四万十川の中でも海水と淡水が混じる汽水域だけ。
この汽水域は栄養が豊富で、たくさんの種類の水生生物がいます。
この汽水域というは、いろいろな条件がそろわないとできない自然の恵みであり、この汽水域のおかげでスジアオノリが採れているのではないかと予想されます。
緯度が関係しているとおっしゃっていたのは、今回の取材の場を設けてくださった、加用物産の岡上さん。
根拠はなくあくまでも仮説だとはおっしゃっていましたが、沖組合長は「あながち間違いじゃないかもねぇ!」と同感していました。
その他、光合成を行うための明るい太陽、その陽光を水底まで通すための透明な水が大切だということもあります。

一番寒いときに四万十川の中に入って青のりをとらんといかんのは本当に大変。でも高値で売れたときは苦労が報われる

「一番大変なことは何ですか?」との問いかけに沖組合長はこう答えました。
「のりを採るのは、冬の一番寒い時期。そんなときに、川に入ってのりを採るのは本当に大変。
「一番嬉しいことはなんですか?」との問いかけには「その一番苦労してとったのりが、高値で売れたときは本当に苦労が報われる」とおっしゃっていました。
青のりは、冬の採取以外には特にすることはない自然の恵みですが、青さのりに関しては、収穫まで約10ヶ月かかり、手入れをして育てなければなりません。
その分、青さのりは青のりよりも大変かもしれません。

乾燥した青さのり。この中に小さなゴミ(エビなどの甲殻類がほとんど)を、1つ1つピンセットでとっていきます。これも非常に大変な作業です。

乾燥した青さのり。この中に小さなゴミ(エビなどの甲殻類がほとんど)を、1つ1つピンセットでとっていきます。これも非常に大変な作業です。

四万十川の風物詩を後世に残していきたい

沖組合長は、子どものころから青のりをとっていました。
親も青のりをとっていたため、子どものころから当たり前に親の手伝いをしていました。
「早くのりをとらないと、飯を食わしてくれなかった。晩御飯を真っ暗になってから食べだすこともよくあった。青のりの存在は、当たり前のように生活の一部になっていたねぇ。」
青のりを生業として始めて33年間たった沖組合長。
「四万十川の冬の風物詩である青のり。この前、地元の20代の若者も1人組合に入った。後世に残していきたい。
ここにもかっこいい大人がいるなぁと、少し胸が熱くなりました。

非常に気さくな沖組合長

非常に気さくな沖組合長

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かりや

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